臨床コーディングについて
Vault コーダーアプリションは、臨床データを標準化することで、治験における医薬品安全性監視を確保し、有害事象の統計的に有意な発生状況や有害事象を予防または軽減するための併用薬の使用状況を明らかにすることができます。
臨床コーディングの目的
治験は、異なる言語が使用される地理的に異なる複数の施設で実施される場合があり、施設のスタッフが薬や病状を表現するために従来とは異なる用語を使用する場合もあるため、治験フォームに使用される併用薬や有害事象の用語は異なる場合があります。例えば、ある施設ではタイレノールという用語で記入し、別の施設では同じ薬の総称であるアセトアミノフェンで記入することがあります。治験の統計的解析を可能にするために、これらの用語の違いを標準化する必要があります。上記の例では、同義語のタイレノールとアセトアミノフェンは、治験フォーム内で同じ薬剤であると識別されるように、共通のコードを割り当てる必要があります。治験薬の服用により被験者が経験した有害事象の報告もコード化し、標準化できます。
WHODrug コードの構造
WHODrug コードは、解剖治療化学 (ATC) 分類システムを使用していて、薬が作用する身体のシステムおよび治療特性に基づいて分類されています。ATC コードは、ATC1 ~ ATC4という階層で構成されています (下図参照)。コードの最初のレベルは、大まかなものから始まり、その薬がどのような治療に使われるかを示し、次にその薬の疾患領域へと具体性を高めていきます。
MedDRA コードの構造
MedDRA 辞書は、医学的状態を定義しています。MedDRA コードは、器官別大分類 (SOC)で構成されています。コードは、影響を受けた身体のシステムから始まり、具体的になっていきます。SOC コードは、高位グループ語 (HLGT)、高位語 (HLT)、基本語 (PT) に分類され、最後に下層語 (LLT) に分類されます。
また、Vault コーダーは、日本語の有害事象や病歴の用語をコーディングし、オートコード化する MedDRAJ を提供しています。MedDRAJ は、コーダーツール > 治験設定 > フォーム設定で設定できます。